二上山山麓(にじょうざんさんろく)の穏やかな丘の上に、中将姫が蓮の糸を染めたという伝説により「染寺(そめでら)」とも呼ばれる「石光寺(せっこうじ)」があります。天智天皇の勅願で、役小角(えんのおづぬ)が開基し、天皇は光を放つ大石に弥勒仏を彫らせたと伝わっています。長年その弥勒石仏は上明でしたが、1991(平成3)年の弥勒堂改築の発掘調査の時、白鳳時代の瓦や?仏(せんぶつ)とともに発見されました。二上山凝灰岩の丸彫で、「日本最古の石仏」と注目されました。
この弥勒石仏は、年2回(1月1日〜末日と4月20日〜5月20日)、弥勒堂で特別開帳されます。ちょうどその時期「牡丹寺」としても有吊な境内では、寒牡丹や梅、春牡丹や芍薬など多彩な花々が咲きそろい、この世の浄土のようでもあります。近くの當麻寺にも弥勒仏があり、白鳳時代この地域では弥勒仏を信仰していたのではと思いを巡らすのもよいでしょう。現在のご本尊木造阿弥陀如来坐像は本堂で祀られています。ぜひ石光寺にお参りください。
【奈良まほろばソムリエの会会員 平越真澄】
■宗派 浄土宗
■住所 葛城市染野387
■電話 0745-48-2031
■交通 近鉄二上神社口駅 徒歩約15分
■拝観 3月末まで9時〜16時半、4、5月は8時半〜17時、400円。6月1日〜11月19日は無料
■駐車場 有(無料)
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