やまと百寺めぐり
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第50回 2020年04月16日掲載
工夫された薬草料理  大願寺(宇陀市)


大願寺で出される薬草料理=同寺提供

 大願寺のある宇陀市大宇陀は、古くは阿騎野(あきの)と呼ばれ、推古天皇は611(推古19)年5月5日、ここで薬猟(くすりがり)を行いました。道を隔てた町並みには、現存最古の私設薬草園「森野旧薬園」があり、約250種類の薬草が栽培されています。
 薬草の古里にあり、織田家祈願所の歴史を持つ大願寺は宿坊を営み、そこで薬草料理を出すようになりました。大和当帰(とうき)葉やドクダミ、ヨモギなどの薬草や宇陀の名産・吉野葛(くず)を使った数々の料理が提供されます。特に葛の刺し身はのど越しがよく、最高においしいと評判です。この地の上質な薬草や野菜をおいしく召し上がっていただくために工夫されている料理は、地域資源の情報発信と言えるでしょう。
 境内には、4月下旬から5月中旬にかけ、ハンカチノキの花が咲きます。ハンカチのような白い花がヒラヒラと風に揺れるさまは、とても美しく、見る人の心を癒(いや)してくれます。初夏にはカエデの新緑、秋には、色とりどりの紅葉と四季折々の風情を感じながら、心をこめて作られる薬草料理を味わってください(料理は予約制)。

【奈良まほろばソムリエの会 会員 松浦文子】



■宗派 真言宗御室派
■住所 宇陀市大宇陀拾生736
■電話 0745・83・0325
■交通 近鉄榛原駅からバス「大宇陀」下車、徒歩約5分
■拝観 境内拝観自由
■駐車場 有(無料)



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