いつかはチャレンジしたい四国八十八カ所巡礼ですが、現実には時間や体力もないという方が多いのではないでしょうか。そこでお勧めしたいのが、ミニお遍路です。国宝十一面観音で広く知られる聖林寺の裏山に、大正期に設けられた写し霊場があります。戦後忘れ去られ荒廃が進んでいましたが、平成に入り再発見され、地元民により復元整備されました。
巡拝コースは、山門から北へ約300㍍の旧聖林寺橋から始まります。細い山道沿いに各札所のご本尊が安置されており、穏やかな表情に気持ちもなごみます。適度なアップダウン、谷を流れる小川、鳥のさえずりを聴きながら山道を登りきると、桜井市内を一望できる絶景ポイントが待っています。一息ついたあとは尾根に沿った坂道を下りて大師堂で結願、八十八カ所巡礼と同じ御利益が得られるとされています。
1周約1時間のミニ巡礼のあとはぜひ、十一面観音様におまいりください。来年開催予定の東京国立博物館の特別展出展を控えて、お立ちになる蓮台の蓮弁が全て取り外され、隠れていた蓮台の文様も拝観できる貴重なタイミングです。
【奈良まほろばソムリエの会 会員 道﨑美幸】
■宗派 真言宗室生派
■住所 桜井市下692
■電話 0744・43・0005
■拝観 9時~16時半、八十八カ所入山受け付けは15時まで
■拝観料 400円 ※11月のみ500円
■駐車場 有(有料)
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