奈良盆地を見下ろす西ノ京丘陵に位置する三松寺(さんしょうじ)は、曹洞宗の禅寺で三松禅寺(さんしょうぜんじ)としても知られています。
1679(延宝7)年に大和郡山城主・本多政勝公一族が関わる寺として建立され、その後、本多家、柳沢家の家臣の菩提寺(ぼだいじ)となりました。
また、同寺は修行の実践と学問をともに究める「行学一致」の大和盆地唯一の寺子屋として、数多くの有能な人材を輩出してきました。
楼門をくぐると正面が本堂です。左側には坐禅(ざぜん)堂があり、研修道場として使われています。その道場に一歩足を踏み入れると、正面の壁一面に描かれた禅宗の祖、達磨大師(だるまだいし)の迫力ある絵に出迎えられます。この絵は、旧1万円札の聖徳太子を描いた馬堀喜孝画伯により描かれました。大師の絵としては東洋一の大きさといわれ、ギョロッとした眼光に圧倒されます。
三松寺では、誰でも参加できる定例坐禅会を毎週土曜日の午後7時から開いています。達磨大師に対面し、身体・呼吸・心を調えて、坐禅を体験されてはいかがでしょう。
【奈良まほろばソムリエの会 会員 青木章二】
■宗派 曹洞宗
■住所 奈良市七条1の26の10
■電話 0742・44・3333
■交通 近鉄九条駅から徒歩10分
■拝観 境内自由
■駐車場 有(無料)
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