日本神話で、天照大神(あまてらすおおみかみ)をはじめ多くの神々が住んでいた天上の世界とされる「高天原(たかまがはら)」の伝承地が御所市の金剛山麓にあります。
ここには最高の社格とされた名神(みょうじん)大社の高天彦(たかまひこ)神社があり、高皇産霊神(たかみむすひのかみ)がまつられています。
本社の背後には美しい円すい状の御神体山、白雲峯(694メートル)がそびえていますが、社殿ができる以前は、この御神体山に御祭神をまつっていました。樹齢数百年の杉の古木が立ち並ぶ参道は高天(たかま)の集落に通じ、周辺にひろがる広大な台地が高天原の伝承地です。
高天原の所在地については古来より諸説あり、宮崎県高千穂町や岡山県真庭市など全国に多くの伝承地がありますが、江戸時代初頭まではこの地が高天原だと考えられていました。
周辺一帯は古代豪族葛城氏の本拠地であり、近くには葛城氏の居館跡とされる極楽寺ヒビキ遺跡もあります。
【奈良まほろばソムリエの会顧問 小北博孝】
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