「なもで踊り」をご存じない方も多いでしょう。その昔、奈良盆地の農家にとって、水不足は深刻な問題でした。雨が欲しくても頼むところは神仏しかありません。安堵では雨乞いの「いさめ踊り」を総社の飽波(あくなみ)神社に奉納し、雨が降れば「なもで踊り」を御礼奉納していました。
明治時代には廃れてしまいましたが、飽波神社に残されていた絵馬をはじめ、歌詞本や衣装、楽器などを手掛かりに、安堵町商工会が中心となって1995年、約100年ぶりに伝統的民俗芸能を復活させました。
今年も10月21日午後3時半ごろから、飽波神社前で披露されます。「テーンツクツ、テンツクツ」とのんびりした節回しと感謝の踊り。神様も喜んで下さるでしょう。
【奈良まほろばソムリエの会 西川誠】
|