戦国時代、十市(とおいち)城(橿原市)を居城として活躍した十市氏をご存じですか。奈良市周辺の古市氏、大和郡山市周辺の筒井氏、広陵町周辺の箸尾(はしお)氏、高取町周辺の越智(おち)氏と並ぶ大和武士の五強の一つと言われた武士集団です。
十市城は東西約550b、南北約430bの平城で、ポルトガル人宣教師フロイス(1532〜97)の書いた歴史書「日本史」にも登場し、発掘調査では中国製の白磁碗、青磁碗などが出土しています。
十市遠忠(とおただ)(1497〜1545)の時代に最盛期を迎え、壮大な山城龍王山(りゅうおうざん)城(天理市)を整備し、現在の橿原市や田原本町、天理市、桜井市の一部地域まで支配したとされています。また、文武両道に優れ、和歌にも精通し、十市御県坐(とおいちのみあがたにいます)神社に彼の歌碑が建てられています。
十市城跡を訪れ、十市氏が活躍していた時代に思いをはせるのはいかがですか。
【奈良まほろばソムリエの会理事 大山恵功】
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