奈良市の高円山のふもとにある白毫寺で、1月16日に「えんまもうで」が行われます。まるで閻魔(えんま)様から裁きを受けるような怖い感じがしますが、もちろんそんな怖い行事ではありません。
実は1月16日と7月16日は閻魔様のいる地獄が「休日」になる日で、この日ばかりは罪人を痛めつける獄卒も仕事を休み、釜もふたが開き、平穏な時間が流れるそうです。また、閻魔様は、日本においてはお地蔵さまと同一で、ありがたいお方でもあると信仰され、休暇中に無病息災と長寿を願うのが「えんまもうで」と呼ばれる行事なのです。
この日、白毫寺では宝蔵に安置される鎌倉時代の重要文化財「閻魔王坐像(ざぞう)」を前に祈とうが行われ、甘酒の振る舞いや福引もあり、境内はにぎわいます。
【奈良まほろばソムリエの会 楠田英雄】
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