奈良市菅原町にある菅原天満宮で毎年6月25日に行われる「鷽(うそ)替え神事」。参拝者がそれぞれ買い求めた鳥の鷽の木製お守りが入った箱を、境内で太鼓の音頭に合わせて「替えましょ」「替えましょ」と言い合って何度も交換を繰り返します。
この神事は、菅原道真(845年〜903年)を祭神とする多くの天満宮で行われてきました。902(延喜2)年、大宰府で神事の際、多数の蜂が飛来して人々を刺そうとしましたが、鷽が現れて蜂を食べ尽くし、危難を救ったことが始まりとされています。
鷽は嘘(うそ)に通じ、お守りを取り替えることで、災禍、凶事を嘘とし吉に変える願いを込めます。菅原地区は菅原家発祥の地とされ、近くには道真の産湯池と伝わる遺跡もあります。
当日は午前中に道真公誕生祭があり、午後から神事が行われます。箱には通し番号が印字され、抽選で景品が贈られるのも人気です。
【奈良まほろばソムリエの会理事 久門たつお】
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