猛暑を前にして、人々にたまった罪けがれを払い落とす神事、「夏越(なごし)の祓(はらい)」が30日に各地の神社で行われます。大和川に沿い、奈良盆地の中心に位置する田原本町の村屋坐弥冨都比賣(むらやにますみふつひめ)神社の「夏越大祓式」を紹介します。
祭典は午後4時から始まります。参列者は茅(ち)の輪をくぐって結界が張られた神前に上がります。紙を切った人形(ひとがた)に息を吹きかけて厄災を移し、カヤの葉や切り紙で罪けがれを払います。祭典が終わると茅の輪を外し、子供たちが人形、供え物と一緒に大和川岸に運び、川に流すのです。守屋広尚宮司は「大和川で刈ったカヤで茅の輪を作り、人のけがれをうつして、川に戻します。子供たちもそのお手伝いをします。神社の古来からの風習です」と語ります。
【奈良まほろぼソムリエの会理事 雑賀耕三郎】
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