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第87回 2018年10月18日掲載
秘境の天然炭酸泉 ―― 川上村の湯元山鳩湯


山鳩湯の内湯=いずれも川上村で

吉野川の源流に近い大迫ダム(川上村)の奥にある入之波(しおのは)温泉の歴史は古く、江戸時代の古地図「大和国細見図(やまとのくにさいけんず)」に塩葉村と記されています。川の底からわき出る塩湯を求めてたくさんの湯治客でにぎわったようです。1973年に開業した山鳩湯はダム湖の斜面に建ち、玄関から見ると1階建て、湖から見ると3階建ての吉野建てと呼ばれる宿です。
奥吉野の秘境にある入之波は、全国でも珍しい天然の炭酸泉が大量に湧いています。お湯は無色透明ですが、空気に触れると茶褐色に変わります。濃い温泉成分が何層にも重なった厚みのある湯船も見どころです。お風呂から上がる時はシャワーで洗い流さないのが温泉効果を持続させるコツです。
 四方を緑に囲まれたダム湖畔もいよいよ紅葉の季節を迎えます。露天風呂からの景色を眺めながらのんびりとした時間を過ごしてみてください。


【奈良まほろばソムリエの会理事 道ア美幸】



露天風呂から入之波大橋をのぞむ

■メモ■

橿原市内方面から国道169号を大台ケ原方面へ約50km走り、大迫ダムのえん堤を渡って県道224号をさらに約4キロ先。
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