奈良市東部の大和茶で名が知られる田原の里で1979(昭和54)年、茶木の植え替え作業中に木炭片と人骨が見つかりました。木片の裏に「朝臣安萬侶」と読める41文字が刻まれた銅製墓誌が貼り付けてあり、その墓誌が「古事記」と「続日本紀」の記述と一致しました。
太安万侶(おおのやすまろ)が稗田阿礼(ひえだのあれ)の語りをもとに「古事記」を編さんしたこと、この地が安万侶の墓であることを実証したとされ、大きな話題になりました。
墓は直径4.5メートルの円墳と推定され史跡に、墓誌は重要文化財に指定されています。その後2012(平成24)年に墓誌の筆跡がコンピューター画像で確認され、新たな話題を呼びました。
【奈良まほろばソムリエの会副理事長 小野哲朗】
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