奈良検定体験学習で田原の里をガイドしました

商工会議所の「奈良検定体験学習プログラム」に、「奈良まほろばソムリエと歩く」というプログラムが設定されており、友の会がガイドを引受けている。 6月24日(日)に、その一つ「太安万侶墓と田原の里」が実施され、小北会長と安井(サポート部会)が、資料提供とガイドを担当した。

田原の茶畑

 参加者は35名、大半は2級取得者だが、1級・ソムリエも数名おられる。人数が多いため、会長と安井の2班に分けて、距離をおいてガイドを行なうようにした。
 近鉄奈良駅より田原地区の日笠までバスに乗ること約30分。 バス停の傍に、河瀬直美監督の映画「殯の森」のロケ地となった家がある。映画では、この家が「農家を改造したグループホームの設定」である。  参加者の大半は、作品を見ていないとのこと。カンヌ国際映画祭の審査員特別賞受賞作品、「カーネーション」の尾野真千子主演である。レンタルDVDで見ることをお薦めする。

映画の舞台となった家

 次に、光仁天皇陵に向かう。御陵の手前にある北浦定政顕彰碑を先に説明をする。北浦定政は、平城京の条坊・条里研究のさきがけとして著名であるが、天皇陵の整備にも力を尽し、晩年は、この光仁天皇陵の陵長を務めたため、田原村民により碑が建てられた。

北浦定政顕彰碑の前で

 続いて、「日笠フシンダ遺跡」の説明をする。と言っても、今は光仁天皇陵の横に広がる何の変哲もない田んぼである。2006年に発掘調査が行われ、奈良時代の祭祀遺物が発見された。参加者には、発掘当時の写真と、発見された絵馬の写真を見せる。 遺跡をガイドする場合は、用意した発掘時の写真や出土品・復元図などの資料をお見せして、想像を膨らませて頂くことが重要である。
 さて、いよいよ光仁天皇陵の説明である。ここでも用意した「天智・天武両系統の系図」を示して、まず光仁天皇の位置づけを理解してもらう。天武系の皇族が絡んだ争乱、皇后・皇太子の幽閉や山部親王への譲位など、光仁天皇がどのように時代を生きたのか、想像して頂くように説明をする。
 光仁陵から15分ほど歩いて、本日のハイライト、太安万侶の墓に着く。 発見された墓誌や多氏、多神社について説明をする。 参加者は、茶の木の植替え作業中に墓が発見されたことや、墓誌が県の文化財保存課に持ち込まれたいきさつなど、発見時のエピソードに興味を示す。よくぞ見つけて頂いたと、あらためて発見者に感謝の念を抱く。

太安万侶の墓の前で

 昼食後の休憩中に、「ソムリエと歩く体験学習」を選んで頂いたので、参考になればと奈良検定受験の「私の勉強法」をお話しした。
 昼食の後、奈良市指定文化財の松本家住宅を見学する。大規模で上質な大和棟の建物で、近世末の庄屋層の民家を伝える。 ここが明治になって郵便取扱所に定められ、当時の受付台が玄関に残っているのも、面白い。

松本家住宅

 「ふるさとホットステーション」に立ち寄り、大和茶などのお土産を購入後、最後の説明ポイント、春日宮天皇(志貴皇子)陵に到着。 再び「天智・天武両系統の系図」を使って、志貴皇子の立場を説明する。万葉集に6首を残す。
 万葉集の話で調子づいてしまい、小林幸子の「万葉恋歌」までご披露。サービスの押し売りになってしまったと反省している。
 奈良検定体験学習のガイドは、1級・2級の方に「ソムリエ友の会」の活動を知って頂く良い機会なので、今後も積極的にお引き受けしたいと思った。

サポート部会ガイドグループ  安井 永