奈良の精通者を増やす

先日、奈良まほろばソムリエ友の会の会長の小北博孝氏のパワーポントを使った卓話「奈良の精通者を増やす」を聞く機会がありました。
全国の宿泊者数、1位東京、2位北海道、3位大阪、4位京都・・・・・奈良は45位。
奈良の宿泊者数は2010年の遷都1300年の年の28.6%下げである。
観光都市奈良の課題として、観光客の低迷。関係者の発信力が弱い、市民の奈良の知識が乏しい、ホスピタリティ(おもてなし)が弱い。
それは平成22年2月の奈良市の「観光都市の課題」でも、観光資源の魅力向上の必要性、発信力の弱さ、ソフト、ハードの整備が遅れている、と指摘されている。
以前、梅の季節に国立博物館近くで食事を取り、「片岡梅林はどこですか?」と尋ねたら、店員さんも店主も知らなかったので失望した。店の周りの半径2キロくらいのことは知ってほしいと思う。
そして平成22年9月、奈良市ではおもてなし条例ができた。基本理念は、「歴史、文化、伝統の魅力を発掘し、その情報を発信すること、・・・・」などがうたわれている。
奈良通を増やして発進力を強化するということで、2007(平成19)年奈良まほろばソムリエ検定が奈良商工会議所主催で始められた。試験の範囲は奈良県全体であり、歴史、文化、はじめ広いジャンルの問題が出題される。
そして奈良まほろばソムリエ友の会が2011年、合格者に活動の機会をということで発足した。
通算12,207人が受験し、2級が3,732人、1級が1,255人、最上級のソムリエには272人合格している。
ソムリエ友の会は、272人中198人が参加している。
奈良県立大学の村田先生も「奈良検定の知識を生かした取り組みが地域の活性化につながる」と言っておられるが同感である。
奈良まほろばソムリエ友の会の活動は、
○県下全域の観光ボランティアガイド
○社寺、史跡の探訪
○歴史文化の講演会
○地域での学習会
○社寺の美化
○伝統行事の支援
○歴史文化の調査・啓発
○観光情報の発信・観光振興への提言(まだまだですが)
○まほろばソムリエ検定の支援
などをおこなっている。
地域・職域・社寺の美化などを心がけ、会報紙なども発行している。
今後は、
○社会貢献活動の輪を広げる
○専門家集団を目指す
○研究成果や情報紙の発行
○市民向け講座をむつかしいが定期的におこなう
ことを目指したい。
今後NPO法人になり、奈良まほろばソムリエの人達に加えて、その他の人の参加も考えたいと思っている。
と30分あまり熱心に語られた。

講師 小北会長

(広報部会 松森 重博)