火災で焼損、安堵町の重文「中家住宅」修復のご支援募集
「あの美しい大和棟をもう一度見たい」
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2024年7月末、国指定重文「中家住宅」(生駒郡安堵町)の主屋(しゅおく)を覆う茅葺の大和棟が燃えて、半年が過ぎました。風のある真夏の炎天下で枯れ枝を燃やしていた、燐家からの飛び火が原因でした。
消防隊員により1時間以上放水されましたが、屋根の火は消えません。茅葺屋根は表面からの消火は難しく、茅材の中や裏面からも水を入れないと効果がないからなのです。「屋根の中の茅を取り出して、水を注入するのだ」との命令が出され、消防隊員たちは茅を取り出し始めました。二人の隊員が熱中症で倒れたほどの、猛暑の中でした。
柱の多くは黒く焦げてしまいましたが、懸命の消火活動の甲斐あって、屋根の梁や太い柱が残っていました。焼け残っている部材から、重要文化財としての価値は失われずにすんだのです。
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中家住宅は江戸時代初期に建築された環濠住宅です。主屋は万治2年(1659)に建てられ、特徴的な大和棟の屋根構造を持つ歴史的建造物で、21代目の中氏が家族で維持管理しいています。しかし2024年夏の、隣家の火の不始末による火災で、先祖代々受け継いできた歴史と思い出が一瞬にして損なわれてしまいました
文化財を守ることの重要性と難しさを広く知っていただき、悲しい出来事を一つでも減らせるようにとの思いから、クラウドファンディングに取り組むことにしたのです。
国や県からの補助金があるものの、中家の個人負担として2,500万円~3,000万円が見込まれています。約350年にわたり守り継いできた貴重な文化財を未来へとつなぐため、皆様の温かいご支援をよろしくお願い申し上げます。
取材と文 小倉つき子
●クラウドファンディングの概要
- 支援募集期間
2025年2月5日(水)10時~3月31日(月)23時
- いただくご支援の使い道
重要文化財・中家住宅の主屋・大和棟の修復費用
- 第一目標金額
500万円
ご支援・詳細は、〈中家住宅 レディーフォー〉を検索、もしくは下記のサイトをご覧ください。