まほろば歳時記

1月 元日の東大寺大仏殿

奈良のシンボル大仏様(廬舎那仏坐像)を安置する東大寺大仏殿。 毎年1月1日、午前0時から8時まで正面の唐破風下にある観相窓が開けられ、外から大仏様のお顔を拝することが出来ます。

2月 竹送り

毎年2月11日、東大寺二月堂の修二会で松明に使われる真竹が、京田辺市から運ばれます。 奈良坂まではトラックで、そこから二月堂までは大八車や肩に担いで運ばれます。 この行事は第二次大戦後、一時廃れていましたが、1978(昭和53)年に京田辺の有志により結成された「山城松明講」が復活させました。

3月 だったん帽いただかせ

古都奈良に春の訪れを告げる、東大寺二月堂のお水取り。3月15日満行を迎えると、子供たちにだったん帽を被せる行事が行われます。 「だったん帽」とは、だったんの行で火天役の練行衆が被る金襴の帽子のことです。これを被せてもらうと一年間無病息災で暮らせると言われており、子供たちの健やかな成長が祈られます。

4月 饅頭祭

奈良市・漢国神社の境内にある林神社には、饅頭の祖と言われる林浄因が祀られています。毎年4月19日の浄因の命日には饅頭祭が開催され、全国の菓子業者から饅頭が奉納されます。

5月 長谷寺

西国三十三所観音霊場として、花の御寺として多くの人々の信仰をあつめている長谷寺。 シャクナゲ、ボタンの盛りは過ぎましたが、ツツジが見事です。 これから鉢植えのボタンやシャクヤクが見頃を迎えます。

6月 忍辱山円成寺

円成寺の本尊 阿弥陀如来坐像と四天王立像が重要文化財。多宝塔に祀られた大日如来坐像は、運慶25歳ころの最初期作として国宝に指定されています。 今は『相應殿』に安置されており、大日如来坐像を身近でお参りが出来ます。一度訪れてみて下さい。

7月 法隆寺夏季大学

毎年、7月26日から29日までの4日間にわたり開講されます。定員は600人で、昭和26年に始まり、今年が第68回です。お経の解題、美術工芸、建築史、考古学、歴史学や宗教論など、それぞれ専門家が講演されます。午前中に講座が2講、午後は境内自由拝観です。26日には特別拝観として、寺僧の方の案内で、普段入れないお堂に入ることができます。

8月 おふさ観音の風鈴まつり

春と秋には、一面バラの花で彩られるなど「花まんだら」の寺としても名高いおふさ観音ですが、7月1日から8月31日の2ヵ月間は境内に約2000個の風鈴が吊るされ、チリンチリンという心地よい音色が暑さを和らげてくれます。江戸時代中期創建のお寺で、八木札の辻から下ツ道を南へ徒歩約15分です。

9月 イチジク

晩夏から初秋にかけてはイチジクがおいしい季節です。奈良県は柿に次ぐ全国有数の生産量を誇り、中でも大和郡山市は片桐地区を中心に栽培が盛んです。今の時季、道の駅などでは店頭の広い場所を占めて販売されており、東京の奈良まほろば館で開いた試食販売会も盛況で3時間ほどで完売したとのことです。

10月 たわわに実った稲穂

「実るほど 頭を垂れる 稲穂かな」大変含蓄のあることばです。もうすぐ収穫が行われます。今年の全国の作況指数は地域により差はあるものの台風や豪雨の影響も限定的で平年並みの100になるとのことです。確定すれば8年連続で100以上となるそうです。間もなく新米のおいしい季節がやってきます。

11月 石上神宮 鎮魂祭

11月22日、新嘗祭の前夜に石上神宮で鎮魂祭(みたまふりのみまつり)が斎行されます。真榊が振られ、「もし痛むところあらば、この十宝(とうのたから)をして、ひと、ふた、み、よ、いつ、む、なな、や、ここ、たりと言うて、布留部ゆらゆらと ふるべ 死人(まかるひと)も行き返らん」と唱えられます。魂を若返らせ、元気を取り戻せるお祭りです。午後5時に始まります。参列者は昇殿参拝ができますが防寒対策は万全に。(雜賀耕三郎)

12月 馬見丘陵公園 クリスマスウィーク

馬見古墳群は丘陵公園として保存、整備されました。前方後円墳の姿が鮮明に復原されたナガレ山古墳を代表として、見るべき古墳が点在しています。また、四季折々に工夫された花々は来園者を喜ばせています。12月には、「馬見クリスマスウィーク」が開催されます。今年は12月21日(金)から12月25日(火)に北エリアでイベントがあり、17時から21時まではイルミネーションの点灯も行われます。これも馬見丘陵公園のひとつの顔です。(雑賀耕三郎)