まほろば歳時記

1月 橘

近鉄尼ヶ辻駅のすぐ西側、水をたたえた濠に囲まれるようにして垂仁天皇の菅原伏見東陵がある。

天皇は不老長寿をもたらす「非時の香果」という果実を求めさせました。
時をかけて何とか持ち帰ったところ、天皇はすでに亡くなっていたのです。
「非時の香果」とは、今の橘のことで、この伝説に基づき、古墳のそばに橘が植えられ、5・6月に白い花をつけ、 冬には黄色い果実になります。

2月 長谷寺修二会「だだおし」

2月8日から7日間に亘る修二会、その結願の14日に執り行われるのが「だだおし」だ。
赤鬼、青鬼、緑鬼の3匹の鬼が本堂内外を暴れまわることで知られる。
参拝者もひるむほどの暴れぶりだが、やがて春を連れて来てくれると思うと憎めない。

3月 大和文華館のうめ

早春に白、又は淡紅色の小花をつけます。
近鉄学園前下車徒歩7分の位置にある大和文華館は、豊かな自然環境の中、四季折々の花が楽しめるところです。
2月下旬から3月中旬頃まで、梅の花が見ごろです。約70種類130本以上の梅が咲き、「七福神の梅」や「夫婦の梅」などここ独特の梅も見られます。

4月 飛鳥川の桜

重要伝統的建造物保存地区今井町のパンフレットに“飛鳥川の流れに架かった蘇武橋を渡ると、そこは今井町・・・”と書いてあります。
江戸時代の風情を今に伝える今井町、少し足を延ばして土手伝いにおふさ観音の方へ。
飛鳥川の土手に、見事に咲誇る桜並木です。

5月 葛城山

御所市と大阪府千早赤坂村の境界にそびえる山で、標高959mの金剛山地の一峰です。
一目百万本と言われるほど葛城山の斜面にうねりのままに咲くツツジは、燃え立つように赤いヤマツツジ。
史跡探訪サークルが5月21日(土)ハイキングを計画しています。

6月 談山神社のアジサイ

6月の談山神社は境内の隅々であじさいが楽しめる。多武峰の山頂に近いことから、盆地内と比べて盛期が5日ほど遅めという所がミソである。
6月は鏡王女を祀る鏡王女祭(6月12日)、廃仏毀釈を潜り抜けた如意輪観音菩薩像を祀る観音講祭(6月26日)など、談山神社ならでこその祭が執り行われる。

7月 伝香寺地蔵会(着せ替え法要)

奈良市 伝香寺は、一枚ずつ花びらを散らす大和三名椿の一つ「散り椿」の寺として知られている。天平年間に鑑真和上の弟子、思託によって開かれたといわれる古刹です。
7月23日「はだかのお地蔵さん」として知られる秘仏地蔵菩薩立像の衣の着せ替え法要が行われます。

8月 ほうらんや火祭り

「ほうらんや火祭」、橿原市東坊城町と古川町により大松明が奉納される。燃え上がる大きな松明を、浴衣姿の氏子が担い棒で担ぎ上げて境内を巡回する。
暑い8月15日の熱く燃え上がる火の祭りである。午後一時から曽我川右岸の春日神社、午後3時から曽我川左岸の八幡神社で斎行される。

9月 采女祭

ことしの中秋の名月は9月15日(木)です。
夕方5時JR奈良駅から三条通ー東向き通りー近鉄奈良駅ー小西通りーもちいどの通りを通って猿沢池の北西岸の采女神社までお渡り行列があります。
6時からの采女神社での神事の後、7時頃から管弦船二艘が猿沢池を二周まわります。

10月 手向山八幡宮 転害会

東大寺は、西に面した大垣にそって、三門があった。転害門だけは創建当時の姿を今にとどめる。
大仏殿を建立するにあたり、宇佐八幡神の守護神を勧請した際、転害門を御旅所として神輿が迎えられたことが転害会の始まりだ。
10月5日は、朝から手向山八幡宮で神事が行われ、その後、転害門へ向かい、転害門の中にて祭式が行われる。転害門の大しめ縄は、平成25年9月に新調された。

11月 音羽山観音寺 お葉つき銀杏

「ようこそ観音寺へ」の看板を見ながらゆっくり急坂を登る。
案内板に励まされながら、やっとたどりつき、最後の石段を上がると、本堂の階段で住職さんの人形が優しく迎えてくれる。
本堂の周りはイチョウの落ち葉の絨毯だ。イチョウは、県指定の天然記念物「お葉つきイチョウ」。
運が良ければ、葉のうえに実を結んだお葉つきイチョウが見つかるかも。

12月 東大寺の仏名会

仏名会とは、12月19日より3日間仏名経によって三世の三千の仏の名前を三日間唱えて、罪の消滅を祈る法会。(大辞林より)
12月14日、東大寺二月堂で仏名会が行われる。現在の仏名会は大正年間に再興された。
古くは、過去・現在・未来と三日間にわたり三千仏名を唱えられていたが、昭和17年頃から、今年は過去・来年度は現在・再来年度は未来の仏名を唱えるというように三か年間に祈修するようになった。