2018年1月1日「大神神社の繞道祭(御神火まつり)」見学記
(国内で歳始めの一番最初の祭り行事)
日本最古の神社である大神神社は、大物主命を祀る三輪山を御神体としている。平和の神・福の神・酒の神・薬の神として崇められており年間を通じて多くの参拝者が訪れる。
繞道祭(にょうどうさい)は、1年の始まりである1月1日午前1時から古式に従い執り行われる神事である。大和年中行事の諸本によれば、明和3年(1766年)の神事勤行日記に記されており、繞道祭とは御神火をもって境内諸社をめぐることから今では御神火まつりと言われ国家・御皇室の安泰と国民の幸福を祈って行われる。繞道祭に用いられる御神火は新年の始まりの午前零時より、拝殿の東方、禁足地内で宮司により切り出されて、拝殿大床の燈籠に移される。祭典では宮司祝詞の後、御神火を小松明に移され、拝殿前の斎庭で3本の大松明に火が継がれる。3本の大松明は先入道・後入道と称される(長さ3m)と少し小さめの神選松明の3本を氏子の若者が担ぎ、神職と共に山麓に鎮座する摂末社19社を巡拝する。(大神神社の繞道祭説明より)
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拝殿前には3本の大松明が置かれている。(見た目は3m以上あるように思われる)。新しい年の戌干支も掲げられている。(午後11時ごろ)
氏子によると、1本長さ約3m、重さ160Kg、材料は松の薄板と竹とのこと。
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午前零時をもって新年(2018年)の始まりです。早々新年の参拝が始まりました。(午前零時)
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拝殿内では神事に大忙しの巫女さんたち(午前零時10分ごろ)
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大松明の担ぎ手、氏子も宮司祝詞に耳を傾ける (午前1時45分ごろ)
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重いので数人の氏子たちによって拝殿前の庭に降ろされる。(午前1時50分ごろ)
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いよいよ大松明に御神火が移されている。(午前2時ごろ)
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3本の大松明に移されこれから三輪山麓の摂社に巡拝に向かいます。この後我々一行は、摂社の一つである檜原神社に先回りしました。(午前2時15分ごろ)
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最後の摂社檜原神社に大松明が入ってくる。折り返し地点の檜原神社に到着。(午前3時ごろ)
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新しい大松明に後神火が受け継がれている。(午前3時30分ごろ)
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氏子たちによって一路、後半の巡拝に向かう。(午前3時40分ごろ)
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末社の富士神社・厳島神社で行われている神事。(午前4時10分ごろ)
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厳かで神聖なる神事は未明まで執り行われる。遠くには大神神社の鳥居が見える。(午前4時ごろ)
ちなみに(繞)とは、(めぐる)という意味で、この御神火拝載所に移されると、待ちかねていた参拝者が持参の火縄やカイロに移しとりそれぞれ家に持ち帰るそうです。
(感想)今回初めての繞道祭でしたが、厳かで古来より受け継がれてきた伝統の重みをひしひしと感じ取ることができました。夜の神事でなおさらその趣きが強く印象に残る行事でした。会員の方々もぜひ一度は、見学をお勧めします。
今回の大神神社の繞道祭(御神火まつり)の見学は夜中の行事につき、地理的に弱い我々にとって地域に非常に詳しい奈良まほろばソムリエの会 地元桜井在住の東田理事さんのご案内のもと実施となりました。東田さんには同行、ご案内をいただきましてありがとうございました。
(文・写真) 保存継承グループ 橋詰 輝己