長谷寺の「だだおし」 見学記
長谷寺は西国33所観音霊場第八番(真言宗豊山派総本山)の寺で、毎年2月14日に追儺会(だだおし法要)が行われている。
「だだおし」とは「修二会」の最終日に行われる鬼追いの儀式。開山徳道上人が閻魔大王より授かったとされる「檀拏印」(だんだいん)を押印し、法力を宿した「牛玉札」(ごおうふだ)の力により大松明を持った赤鬼、青鬼、緑鬼を退散させる行事。(長谷寺ホームページより)
行事は午後3時頃から法要が行われ午後5時過ぎ頃まで行事が行われる。
今回は、2月の寒中にも係わらず小春日和で見学の方々は例年に比べて多く見受けられました。法要の行事のチャンスを捉えようと多くのカメラマンがひしめきあい、シャッターを一生懸命切っている姿が印象的でした。
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階段の上には立派な長谷寺の仁王門が建ちます。
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長谷寺を印象付ける石段の登廊の様子。
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法要行事のために焚かれた火。
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参拝者・法要見学の方々は次々とつめかける。
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法要の行事が始まり参拝者は手を合わし・合掌。
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最初は青鬼が登場。回廊を3周回ると次第に鬼は弱っていきます。
大松明は、長さ一丈五尺余り(約4.5m)重さ30貫7超(約120キロ)という巨大なもの。本堂の周囲に火の粉を散らして東の広場に出ると、暴れ回った鬼達は何処ともなく退散する。(長谷寺ホームページより)
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勢いよく燃え盛る大松明に圧倒される。
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多くのカメラマンが法要行事に殺到する。
青鬼は左回り。緑鬼は右回り鬼の後には松明がついていきます。両者の青鬼と緑鬼はお互いに逆同士に回るので途中で交差します。本堂内では僧侶さんがお札で鬼を弱らせ、回廊では松明の炎で鬼達を弱らせます。
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クライマックス赤鬼の登場。他の鬼よりひときわ大きい顔の赤鬼。迫力十分。
鬼が登場する場所はロープで確保されています。回廊に飛び散った火の粉は寺の関係者が水で直ちに消し止める。
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午後5時過ぎごろには今年のだだおしも終了、本坊へ向かいます。
奈良には様々な伝統行事が多く残されています。ここ長谷寺にもこのだだおしが終われば、もうすぐ春の訪れも聞こえます。
2018年2月14日に行われた桜井市長谷寺のだだおし行事の見学記でした。文・写真 保存継承グループ 橋詰 輝己