百万本のツツジが見頃を迎える大和葛城山を訪ねて

5月21日、史跡等探訪サークルの今回の活動は大和葛城山登山。
9時過ぎ、近鉄御所駅に参加者11名が集合しました。

加藤さんの指導で準備体操

御所駅からバスでロープウェイ葛城登山口駅前に到着。準備運動をしっかりとし、9時50分に登山開始。約3kmの「櫛羅(くじら)の滝コース」を行きます。

櫛羅の滝

10分ほどで櫛羅の滝に到着。説明板によると弘法大師が天竺のクジラの滝に似ているために供尸羅(くじら)と名付けましたが、「供尸」は「供に屍」と書くため良くないと、その時の領主が「櫛」の字に改めたといいます。

石畳の登山道

そこからは長い登り、約30分に1回休憩を取りながらのペースで進んで行きます。特に前半の急な階段が続くところはきつく、かなり体力を消耗しました。登山の本やテレビでよく目にするように、なるべく小股でゆっくりと登ることを心がけました。

落石で崩れた歩道

この櫛羅の滝コースはよく整備され道標や目標位置の番号表示も完備していますが、過去何度か台風による崩落で通行止めになった事があるようで、途中その爪痕をいくつか目にしました。
コースも半分を過ぎると、体が慣れたのか少し楽になってきました。
「大阪開通講」という岩場を過ぎると、登りも終盤です。
11時50分、広い舗装路に出ました。山頂まではもう少しあるようですが、とりあえず登りの一区切り。そこからすぐの所に「葛城天神社」が鎮座していました。

葛城天神社

ご祭神は国常立命。この境内は「天神の森」と呼ばれてきたそうです。天つ神を祀る天神社は県内他にも数カ所あるようで、例えば耳成山にも昔天神社があり、天神山と称されていた時があったそうです。
また、この葛城天神社は加茂(鴨)氏の祖・加茂建角身命の神跡と伝わることから「鴨山」とも呼ばれてきたそうです。
神社から歩いてすぐロープウェイの葛城山上駅に到着。登山口駅から約2時間かけてここまで登って来ましたが、ロープウェイを使用すればたったの6分で着いてしまうそうです。

展望台から奈良盆地を望む

駅舎の上が展望台になっており、上がってみると大和三山や吉野の山々をのぞむことが出来ました。
そこから舗装路の坂道を登っていくと食堂などが現れ、観光地らしい雰囲気になっていきます。展望の良いベンチで昼食休憩となりました。

山頂

昼食後少しだけ登り、12時50分、ついに葛城山頂に到着です。標高959.7m。こちらで集合写真を撮りました。山頂は高原のように広くなだらかでした。

ツツジ(当日の写真)

山頂南斜面に有名なツツジ園が広がっていました。今年は花期が早かったようで見頃は残念ながら終わっていましたが、「一目百万本」と言われる壮大な光景は圧巻でした。これらは全て自生するヤマツツジだということです。

ツツジ(最盛期の写真 2012年5月13日)
金剛山

お隣には金剛山の雄姿。古くは葛城山・金剛山を総称して「葛城山」と呼んだそうです。
下山すべく舗装路の道を降りていくと右手に「婿洗いの池」への表示がありました。この池には行きませんでしたが何とも珍しい名前です。昔、村人たちが雨を降らせるため竜神を怒らせようと、竜神の祠を壊して池に投げ込み、新しく村に来た婿養子も一緒に投げ込んで荒縄でごしごし洗い、半死半生の目に遭わせたという不思議な伝説があるそうです。
13時20分、下山開始です。「自然研究路」から「北尾根コース」を通ってもとのロープウェイ葛城登山口駅に戻るコース。
自然研究路はその名のとおり葛城山の自然に関する説明板がところどころに現れます。基本的に歩きやすい道で、「カタクリの花」群生地もあるようでした。
4月頃に薄紫の美しい花を咲かせるそうです。
その後の北尾根コースは急な下り坂が続きます。道は乾いているものの大変滑りやすく、大きな段差も何か所かあり慎重に降りて行きました。
そして15時、登山口駅に全員怪我もなく無事に戻ってくることが出来ました。
登山後はいつもそうですが、登り下りの苦しかったことは忘れて大きな達成感と爽快感だけが残ります。これまで県内各地のいろいろな地点から「あれが葛城山だ」と眺め、憧れていた山に登る事が出来た喜びは大きいものでした。当サークルの普段のウォーキング活動に比べると随分ハードでしたが、時にはこういう登山活動も良いものだと思いました。
下見と当日のお世話をしてくださった大村さん、小林(誠一)さん、豊田さん、ありがとうございました。そして加藤さん、最初から最後までの先導役、本当におつかれさまでした。

写真 小林誠一  文 藤原麻子