大和の尼寺 三門跡寺院の美と文化展
9月21日から10月3日まで、難波の大阪タカシマヤ グランドホールにて、「大和の尼寺 三門跡寺院の美と文化展」が開催されます。
大阪に先立って開催された横浜会場に行ってまいりました。
奈良検定を受けるときに必ず覚える「三門跡尼寺」の法華寺、中宮寺、円照寺。
三寺院の法具や荘厳具の他、寺院に入った皇女の生活を垣間見る遊び道具などが展示され、門跡尼寺らしい繊細な美しさを存分に鑑賞しました。
展示されているのは時代的には比較的新しいものが多いですが、それがかえって今に伝わる寺の伝統を感じさせてくれます。
法華寺の荘厳具は、さすが光明皇后の寺らしく、正倉院御物の復刻のような豪華さです。
中宮寺からは聖徳太子像や弥勒菩薩の脇に控える阿弥陀如来像も。
江戸時代の小袖裂幡の上品な美しさも印象に残ります。
円照寺の文智女王の頂相と、その頂相で実際に身につけている袈裟などの展示はなかなかの迫力。
その御作という春日神鹿厨子なども必見です。
皇女の遊び道具の中にあった明治時代の人生ゲームのようなすごろく。
その内容は意外にもかなり世俗的で、時代の価値観をあらわすようで面白いです。
展示の他に映像作家メアリー・ルシューさんによる「尼門跡寺院(二寺空間)」という映像の部屋がありました。
真ん中の大きなスクリーンには法華寺の蓮、中宮寺の表御殿の内部が美しく映し出され、左右のモニターには法華寺の雛会式や中宮寺の花まつり(誕生釈迦仏などは実際展示されています)の様子などがそれぞれ違う角度から映し出されます。30分間たっぷりと楽しむことができました。
特に円照寺は拝観できないので、テキストで読んで覚えたのみでしたが、この展示で親しみを感じることができました。
普段はなかなか味わえない門跡尼寺の華やかな中にも静謐な空気を感じてみてはいかがでしょうか。
AYU