歴史探訪グループ例会「大和小泉でブラソムリエ」
法隆寺と郡山の間に位置する「大和小泉」。観光客は少なく、ソムリエでもあまり訪れない地味なウォーキングに参加者はなんと31人。さすがソムリエはマニアックな人が多いと感じながら、穏やかな日和の2月26日(日)10時、JR大和小泉駅をスタート。街道沿いの古い街並みや、「太神宮」の灯篭などを見ながらまず「小泉神社」へ。
素戔嗚尊と誉田別命を祀る重文の春日造の本殿を軽妙な話し方の神職の案内で見学。神像の写真も見せていただきました。神社の境内には葉の裏側に文字が書け、葉書の始まりと言われる「タラヨウ」の木も見られます。
神社を後に北へ向かうと小泉城の堀跡のナギナタ池の向こうに片桐氏二代目の貞昌を祖とする石州流茶道宗家「高林庵」が見えてきます。漆喰の白壁や鯱が乗る屋根が、往時の小泉城を忍ばせます。
高林庵を一回りし「小泉城址」へ、地侍の小泉氏が築城し、江戸時代には片桐氏が治めた小泉城の石碑は高台の縁にありますが、そこには何も残っていません。
城址から階段を下り、堀跡を見て、「庚申(こうしん)堂」へ。ここは「一国一宇庚申」とされ、大和の庚申信仰の中心です。
庚申(かのえさる)の夜、三尸(さんし)という虫が人の罪を天帝に告げると早死にするという庚申信仰の身代わりとするため、軒先には、奈良町と同じ赤い「身代わり申(さる)」がぶら下がります。
庚申堂の本堂の軒丸瓦には猿が描かれ、梵鐘には「見ざる聞かざる言わざる」が鋳出されています。
その後、弘法大師が掘り、小泉の地名の由来になったともされる「小白水」(”白”・”水”を縦に重ねると”泉”になる)を経て、「小泉大塚古墳」「六道山古墳」へ。
どちらの古墳も元は前方後円墳でしたが、前方部分が削平され円墳の様に見えます。また最近樹木が完全に伐採され丸裸の状態。今後の成り行きが気になります。
全員での本日のコースはここまで慈光院下で解散。希望者で慈光院を参拝し、お庭を眺めながら抹茶をいただきました。