保存継承グループ 風鎮大祭見学記
ひ:ついにこの日が来ましたね。保存継承グループの人が風鎮大祭を見に来る日が。
か:ついに来ましたね。ドキドキします。
ひ:つれづれ日記も書かないといけないみたいなので、皆さんが来る前に、いろいろ教えてください。まずは、風鎮大祭の由来を教えてください。
か:風鎮大祭は風鎮めのまつりとされていて、風水害、凶作、疫病が流行し、これらを鎮める為に風の神を龍田に祀り、お祭りが行われたのが始まりとされています。日本書紀にも675年には国の祭りとして行われていたと記されています。砂かけ祭りの広瀬神社の水神が水による生産の神で、龍田大社の風神は悪風を防いで、荒雨を防ぎ、国家を鎮める神として祭られていて対になってるんです。
ひ:なるほど。ところで昔から7月の第1日曜だったんですか?
か:昔は7月4日だったみたいです。
ひ:へー。1週間前から昨日まで、朝夕のの御饌祭もあるんですね。
か:その結願日に風鎮大祭をやって、翌日には「御座峰山神祭」といって、三室山の方にある御座峰に風鎮大祭の無事斎行を奉告するお祭りがあります。これで全て終わりになります。御座峰山神祭は平日なので私が行ってきますね。
ひ:なるほど、知らないこといっぱいあります。今日は1日よろしくお願いします。
か:そろそろ神事が始まりますよ。
ひ:本殿は「志那津比古神」の男神と「志那津比売神」の女神2社ですね。
(ウォーという警蹕とともに本殿の扉がゆっくり開かれ、神饌奉納の後、祝詞奏上となります。)
ひ:祝詞はどんな内容なんですか?
か:五穀豊穣と風水害のないようにしてもらえたら、秋に産物を奉納します、ということを古代から伝わる丁寧な言い回しで奏上しているらしいです。この後は、龍田神楽ですよ。
ひ:巫女さんは、地元の坂本家が代々受け継いでるんですよね。
か:そうです。最初は鈴だけ、その後両手に刀を持った舞、最後は片手に鈴、もう片手に刀を持って舞います。
ひ:刀を持って舞うのは珍しいですね。「このやおとめ・・・」と巫女さん自らが謡うのも珍しいような気がします。
(龍田神楽が終わると巫女さんは拝殿に参列されている方々の間に入って、鈴を振りながら「もろもろの穢れを祓えたまえ、、、、、、、」と言ってまわります。)
ひ:巫女さん、こっちにも来られました。
(拝殿横で見ていた我々にも「もろもろの穢れを祓えたまえ、、、」とやっていただけました。)
ひ:祓ってもらいました。
か:わたしも。
(ここで一度解散し、保存継承グループの昼メンバーとともに再登場)
ひ:午後は何があるんですか?
か:昼は、家内安全・商売繁盛をご祈願するお神楽をお受けいただけるんです。それと並行して居合剱詩舞道奉納もあります。
ひ:みんな揃ったしお神楽で祈願してもらいましょう。
(拝殿に上がって目の前でお神楽を見て、1人ずつ鈴を振って「祓えたまえ、清め給え。。。」とやっていただきました。)
ひ:これで少しは幸せになれそうです。でも、あの巫女さんたちは、この神楽を3時間繰り返すんですよねぇ。暑いしなかなか過酷です。
(並行して居合がお神楽と無関係に始まりましたが、居合の刀を鞘に収めるのと同時に神楽の笛と太鼓も終わるという奇跡が起きました。)
ひ:奇跡や。。。。
(ここで再び解散。保存継承グループの夜メンバーとともに再々登場)
ひ:まだ、花火まで長丁場です。この後は太鼓と河内音頭ですね。
か:そうです岐阜県中津川市鎮座風神神社に伝わる「安岐風神太鼓奉納」と浪速粋囃楽団の「風神太鼓奉納」です。その後は河内音頭です。毎年、団体で踊りに来られる方もいて賑やかです。
ひ:「安岐風神太鼓」始まりました。太鼓を打っているなかで口上があるのは珍しいです。面白い。
ひ:次は浪速粋囃楽団ですね。おおっ、これは、だんじり囃に龍踊りじゃないですか。大阪っぽい感じがしますね。
か:最後は「大阪締め」ですよ。知ってました?
ひ:「打ーちましょ」パンパン、「もひとつせ」パンパン、「祝うて三度」パパンがパン。大阪生まれですから。
か:さあ河内音頭ですよ。踊らないんですか?
ひ:見る派です。
ひ:今年も切れ切れの団体来てますかねェ。
か:来てますよ。ほら。
ひ:これはもう「河内の盆ダンス」ですね。外人さんも盆ダンスしてます。
か:人が増えてきました。もう、保存継承グループでまとまって花火を見るのは難しいですね。
ひ:さっきパラパラ雨が降ってましたけど、龍踊りで雨乞いしたからかもしれないです。神様はいますよきっと。
か:でもいつもどんなに雨が降ってても、花火の前にはあがるんですよ。風神様はいます。飛行機も真上を通っていくし、昔も今も「風の通り道」って感じです。
か:いよいよ花火です。神様に火のごちそうの「風神花火」を奉納しますよ。
ひ:来年は誰かに持ってもらいましょう。
か:男の人は上半身裸です。そうしないと服が焦げたりするんです。火の粉は意外と熱くないみたいです。火柱は5mくらいあがって、最後はボンと爆音して終わります。使い終わった手筒花火を、飾っておくと無病息災で過ごせるようです。
ひ:ところで何で花火なんですか?
か:龍田大社は水の神様広瀬神社と対で、「水」に対する「火」で、「火」は人間の生活に欠かせないもので、大切にするという事から花火の奉納になったみたいです。
ひ:そうだったんですか。とうとう最後です。
か:しめくくりはナイアガラです。
ひ:終わっちゃいましたね。明日、仕事頑張ります。
か:終わっちゃいました。私は御座峰山神祭行ってきますよ。
か:(ここは独り言です。。。。) 御座峰山神祭は、風神「龍田大社」の祭神が御降臨されたと云われる柏原市雁多尾畑にある「御座峰」で、風鎮大祭翌日に執り行われる神事です。峰の上には、龍田大社の方向(東)を向いて「傅龍田本宮御座峰」の碑が立っています。推古天皇時代に日本で初めて置かれた大道と言われる「龍田道」は、この「龍田山」を越え、難波へ向かっています。また「龍田道」は、神が降臨した「御座峰」から、元本宮跡とも云われる「磐座」と龍田大社を結ぶ「神降りの道」とも称されています。青空の下、風そよぐ心地よい山頂で日々の幸せに風神様のご加護を感じ、感謝できた参拝のひと時でした。
参加者 昼の部:亀田、鈴木、岡村、水間
夜の部:亀田、大村、橋詰(夫妻)、大嶋
「か」:垣本
「ひ」:廣岡