ソムリエンヌサークル 霊山寺の拝観と写経・バラ園の散策
ソムリエンヌグループは、5月29日(月)に霊山寺の拝観と写経、その後ランチをいただき、バラ園の散策を楽しみました。当サークルから10名の参加がありました。
前日、近畿地方が例年より8日も早く梅雨入りとなり、当日も小雨が降る中の見学でしたが、霊山寺の木々や花々は雨に洗われ綺麗でした。
当日9時50分にお寺の受付前に集合。徒歩、マイカー、バスなどで合流し、本堂で、管長の母上泰子奥様より、ご挨拶と当山の歴史の説明を受けた後、管長さんと般若心経等を読誦し、法話を拝聴しました。
天平八年創建の「大和登美山鼻高 霊山寺(りょうせんじ)」は現在真言宗のお寺です。鎌倉時代に建てられた入母屋造りの本堂は密教寺院の代表的遺構として国宝に指定されています。檜皮葺の三重塔、鐘楼などの建物や、数々の仏像宝物など、歴史資産も数多く残されています。しかし、お寺の正面入り口に赤い朱塗りの大きな鳥居があったり、お寺の境内に素敵な西洋風のバラ園があったり、薬草風呂があったりと、不思議がいっぱい詰まったお寺です。
そんな不思議を管長さんより、分かりやすい言葉で一つ一つ説明して頂きました。
霊山寺の御本尊は薬師如来です。(西国薬師四十九霊場の二番札所です。一番札所は薬師寺です。)そして、弁財天もお祀りされるお寺である事から鳥居も建てられている事や、鳥居に付けられている注連縄やその飾りの意味なども興味深く拝聴しました。そして何より、結界の意味も鳥居にはあるそうです。
またお寺の鬼門にあたる場所にあるバラ園には、先の大戦でシベリア抑留を経験した先々代の管長の平和への思いが込められている、というお話も聞かせて頂きました。現在は200種2000株のバラが観賞できますが、一番初めに植えられたのは、「ピース(平和)」という品種だそうです。この日も綺麗に咲いていました。
そして、花の色が黄色から赤色に変化していく「絵日傘」。一つの茎から沢山の花が分かれて咲く「セレッソ」。セレッソは、スペイン語で「桜」という意味です。
大鳥居の近くにある薬師湯は、霊山寺縁起とも深くかかわっていて、1300年の昔より延々と続いてきているそうです。
それは、遣隋使で有名な小野妹子の息子と伝わる小野富人が壬申の乱(672年)に関与したため、右大臣の職を辞して、この地に閑居。薬草を栽培し、薬師如来を祀って薬草風呂を施湯し、聖武天皇や光明皇后も入湯されたと伝わり、里人にも親しまれてきたそうです。昭和57年現代風に改築され、小野富人の心を再現されています。私たちは、法話の後、薬草入りの入浴剤を頂きました。
本堂から天龍閣・松林に移動し、般若心経1巻を写経しました。一人に一つの大きなテーブルで、ゆったりと写経ができました。
天龍閣の2階での食事。新メンバーとも交流を深め、楽しくお食事をいただきました。
写経に時間がかかってしまい、1時ごろからの昼食となりました。このお料理の他にも、食後の水菓子もついて豪華なランチでした。
昼食後、奈良コンシェルジュの友松さんの案内で、境内を散策しました。ゆったりとした口調で、それでいて明快に聞き取れる大きさで説明をされました。ガイドする時は、インスタ映えするポイントなども教わり、ベテランガイドの本領を知りました。
バラ園では、泰子奥様からそれぞれのバラについて、詳しくお話しを聞かせていただきました。その後、バラ園奥にある「プリエール」で、喫茶を楽しみ、次回の集まりに期待をふくらませました。
ソムリエンヌサークル 文章・写真 池田喜代