「秋津洲の道・国見登山・古墳めぐり」感想記

5/17(日)実施・・・参加者20名

コース:
近鉄御所駅→鴨都波神社→野口神社→八幡神社→室宮山古墳→
巨勢山古墳群→日本武尊琴弾原白鳥陵→掖上鑵子塚古墳→
国見山頂(229m)[昼食]→国見神社→三光丸クスリ資料館見学→
市尾宮塚古墳→市尾墓山古墳→近鉄市尾駅

前日の雨模様、翌日の雨予報に挟まれた5月17日(日)は朝から快晴。絶好のウォーキング日和に恵まれ、ツツジの葛城山に向かう人であふれる近鉄御所駅前に集合しました。

いつものストレッチ(御所駅前)

古い街並みの「御所まち」にかかる「高札」を見て進み、大国主命の子供である「積羽八重事代主命(つわやえことしろぬしのみこと)」を祀る「鴨都波神社」へ。ここで禰宜のお話を伺います。

鴨都波神社“禰宜のお話を聞きました”

高鴨神社とともに「鴨氏」の氏神であり、全国の加茂(鴨)社の根源であるとされているが、鴨氏にもいくつかの系統があり、当社は下鴨神社とのつながりが強い、また近年では春秋に行われる「ススキ提灯献灯行事」が奈良県指定無形民俗文化財に指定され、大阪での「地域伝統芸能フェスティバル」にも参加する、などの話を聞きました。
蛇穴(さらぎ)の野口神社で、かわいい蛇の顔がついた蛇綱を見て南下、この地域最大の前方後円墳で葛城氏の祖・葛城襲津彦の墓ともいわれる「室宮山古墳」へ向かいます。

野口神社(蛇縄)“顔のついた蛇縄”

巨大な埴輪のレプリカや特徴的な丸い縄掛突起のついた石棺が一部露出する竪穴式石室を覗き込んで葛城氏の権力の大きさを感じました。

(宮山石棺)・(石棺内部)“石棺とその内部”

「巨勢山古墳群・条池古墳」の石室や、「条ウル神古墳」の案内板を見て、西へ進み「日本武尊琴引原白鳥陵」へ。もとより伝説ですが陵墓指定のため調査はできず「これは本当に古墳?」とおもいながら、周壕がきれいに残る「掖上鑵子塚古墳」の縁をかすめてしばらく歩くと、いよいよ本日最大の難所、「国見山」への登りにかかります。

国見山頂~参加のメンバー“神武天皇のつもりで「国見」”

登り口の標高は100m、山頂は229mなので標高差はそれほどでもないのですが、結構急坂や段差の大きい階段もあり、息を切らせてようやく到着。日本書紀に神武天皇が即位後登って国のかたちを望見したと記される「嗛間丘(ほほまのおか)」の碑が立つ頂上で昼食。その名の通り、金剛山・大峰山系の眺めは素晴らしいですが、北側は木の枝が伸び、隙間から畝傍山がわずかに覗ける程度。
休憩後、神武天皇の曾祖父「瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)」を祀る「国見神社」を経て、「三光丸クスリ資料館」へ

三光丸クスリ資料館“大相撲で見られる「懸賞幕」”

館長の丁寧な案内で和漢胃腸薬「三光丸」の歴史や展示を見学、「センブリ」「ケイヒ」など漢方の材料は触れて持ち帰ることができ、とても楽しく見学ができる施設でした。
最後は「市尾宮塚古墳」と「市尾墓山古墳」の見学。どちらも石室に入ることはできませんが、外部から見やすいよう照明が設置されています。

宮塚古墳“内部は照明が完備”
きれいに整備された「墓山古墳」

ここから、近鉄市尾駅には5分程度、終始好天に恵まれた一日でした。

文と写真:歴史探訪G 史跡等探訪サークル 小林誠一