「お水取り」-音を観る-

講師   東大寺教学執事 上司永照(かみつかさえいしょう)氏
場所   サンワシティ西大寺にて
日時   12月10日(火) 13:30~15:30
参加者  58名

講演会「お水取り」-音を観る- で、「過去帳」を聞かせていただきました。
過去帳といえば、「青衣の女人」が有名で、この名前を聞くと、満足・・という人が多くいると上司氏もおっしゃっていました。源頼朝の名前が読まれた後、しばらくして、低い声でゆっくりした口調で「青衣の女人」と続きます。私も「青衣の女人が読まれた!」と満足していた一人なのです。
今回は、深いものを求めてじっくりと声明を聞かせていただきました。最初、聖武皇帝、皇太后宮、光明皇后、行基菩薩、孝謙天皇、不比等右大臣、諸兄左大臣、良弁僧正、実忠和尚、天竺菩提と東大寺創建当時に力を尽くした人の名前が次々に読まれ、東大寺の歴史を思いながら聞くと、本当に興味深く楽しむことができました。しばらくして、材木、金、銭一千元、牛六頭、稲十万元等々と寄進された物と「知識」という言葉が数多く読まれました。
講演後に上司氏に尋ねると、「知識」は同じ志を持つ者という意味だと教えていただいきました。この志とは、国家安泰、万民平和を願い大仏建立を願われた聖武天皇のお心そのものではないかと思いました。創建の時だけでなく、二度の火災で焼け落ちた東大寺は、多くの人の尽力によってそのつど再建されてきました。
過去帳は同じ志を持つ者によって1200年以上守られてきた東大寺の大切な宝物。それゆえに、1200年以上毎年読みあげられているのだと思い深く感動しました。
また、局に籠り、ゆらゆら揺れるローソクの灯りを格子越しにみながら、声明を聴聞したいと思います。叶わぬ夢と知っていますが、できることなら・・・、外陣に入りたい!!

(友松洋之子)

今年は夕方5時から、深夜3時まで、礼堂の格子の外から、拝見していたので、そのときの感激が甦りました。
①何と言っても過去帳を近くでお聞きできたこと。
 上司さんの朗々としたお声、時には強く、そして早くなっても完璧な名前の読みに感動。中懸、早懸もよくわかりました。
②実際の法具を目の当たりにできたこと。
*紙衣(かみこ):
 仏花紙を絞り、棒に巻き、寒天の汁を塗り、何枚もあわせた物であること。触ってみても、軽くて柔らかく、肌にやさしいこと。
*差懸(さしかけ):意外と重いこと。
*牛玉櫃(ごおうびつ)の上・中・下の箱の中のもの:
 上---懸本尊(仏様)、掛け念珠
 中---上堂念珠(黒檀の珠、平念珠)、食堂念珠(丸い玉)、水晶念珠。
   中臣祓。可愛いもので、朝起きた時、お風呂に入る時等、折々に自らを清めるために用いる。
 下---日誌、後年帯(こうねんたい)。

③本に出ていない知らないことの説明。
*袈裟のつけ方
 トイレに行く時 大⇒白衣に 小⇒袈裟をとる
 大中臣の祓いの時 袈裟をクロスさせずに、右肩にだけかける
④差懸による足音の出し方により、祈りの場面が違うこと。
ともかく、とてもいい勉強になりました。

(平越真澄)

講演会を終って。
今回のテーマ「お水取り」(音を観る)と、いうタイトルで、東大寺教学執事の上司永照先生にお願致しました。先生は、清水公照師のお弟子さんで、師ゆずりのおおらかさと、参籠20回に及ぶ体験と、本年3月に実際に使用された、衣装・小道具類・牛玉櫃等を御持参して頂き、書物からでは得られない、貴重なお話をして頂きました。特に暗闇の中での行を如何に11名の連携を取りながら進めて行くか、それは「歩く音」「数珠の音」「法螺貝の音」等々全て音によって行われているということで、初めて副タイトル(音を観る)の意味が分かりました。更に、日本音楽の原点である声明を一回目に「神名帳」を二回目は「過去帳」を披露して頂きました。受講者一同その声明に感動致しました。本当に有難う御座いました。
追記
12月16日に発表された平成26年の11名の錬行衆のお名前と配役が決り、上司先生は四識の中の「咒師」役に決定されました。

(鈴木英一)